11月4日、虹口グラウンドで上海パイレーツ、上海ツインズ、蘇州ドリームキッズの3チームで秋季華東杯が開かれました。
当日は早朝まで雨が降り、コンディション不良、ぬかるんだグラウンドで軽くムーンウォークができる状態です。
「では、がつんとやりましょか!」
Y(現場)監督指揮の下、ゆらりと出てきた朝日を浴びながら、急造土木作業隊が治水・掘削・埋立・造成の突貫工事を進め、予定より30分遅れで試合が始まりました。
● 第1試合 ツインズ23×0ドリームキッズ
● 第2試合 パイレーツ13×0ドリームキッズ
● 第3試合 パイレーツ1×0ツインズ
優勝決定戦の先発は2年生N。初回から低めにコントロールが定まりストライク先行。ツインズ打線を次々と内野ゴロに打ち取ります。守っては1年生サードFが往年の長嶋のような軽快なフィールディングを見せ三者凡退。きれいな展開にベンチも盛り上がります。
「では空港に向かいます。みなさんお元気で・・・」
2回を終えたところで2年生Mの父が本部席に挨拶に来られました。会社の都合で、家族を残し、ご本人だけ日本に本帰国するのです。
「次の回、Mに打順が回ってきますよ。見て行かれたらどうですか?」
でも、時間がないので、とバックネット裏からMを見つめ、名残惜しそうにグラウンドを後にされました。
0対0でむかえた3回の表、二死三塁でバッターボックスに立ったのはMです。主審に礼をすると、普段はあまり見せない闘志あふれる表情で、相手投手に向かって雄たけびをあげました。親父、俺が決めてやる!という心の声が響いてくるようです。心配するな、上海の家は俺が守る、との強い決意も感じます。そして投じられた白球に、Mは渾身の力でバットを振りました・・・
ぼてぼての投前ゴロです。しかしMは俊足。忍者姿勢で脱兎のごとく走り始めると、相手守備の動揺をも誘い、何と1塁セーフ!そして1点ゲット!ベンチはやんやの大騒ぎです。
終わってみればNはノーヒットノーランで完封、Mの虎の子1点を守り切り、ゲームセット。新生パイレーツの優勝で終わりました。
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天パ (日曜日, 11 11月 2012 08:32)
感動しました。
あの試合にあんな裏物語があったとは...